有料老人ホームは、主に民間企業が運営する高齢者向けの施設です。
しかし、「有料老人ホームとはどんな施設?」「有料老人ホームとほかの施設との違いがよくわからない」と思う方もいるのではないでしょうか。
そこで、本記事では、有料老人ホームについて、種類や特徴、入居対象について解説します。
有料老人ホームとは
有料老人ホームは、高齢者が心身の健康を維持しながら生活できるように配慮された老人ホームです。
食事サービス、家事援助、介護サービス、健康管理のいずれかのサービスを1つ以上提供しており、運営は主に民間企業が行っています。
有料老人ホームは、サービス内容や入居する対象者によって、3つの種類に分けられます。
有料老人ホームは3種類
有料老人ホームには「介護付き」「住宅型」「健康型」の3種類があります。
それぞれの施設の特徴を、以下で解説します。
介護付き有料老人ホーム
介護付き有料老人ホームは、施設の介護スタッフが常駐して、食事や入浴、排泄などの介護や、その他日常生活に必要なサービスを24時間体制で受けられるの有料老人ホームです。
都道府県から「特定施設入居者生活介護」の指定を受けているので、利用者3人に対して職員1人以上の人員基準や運営基準が設けられています。
また、施設で受ける介護サービスには介護保険が適用されます。
介護付き有料老人ホームには、主に要介護1以上の方が入居する「介護専用型」と、要支援や自立の方も入居できる「混合型」の2タイプあります。
介護付きでは、寝たきりや認知症のある方にも対応し、看取りをしてくれる施設も多いので、終身にわたって長期的に利用することが可能です。
住宅型有料老人ホーム
住宅型有料老人ホームは、高齢者が生活支援を受けながら生活する施設です。
2021年10月時点で全国に11,232箇所あり、有料老人ホームの中では最も多い種類になります。
住宅型は介護付き有料老人ホームと違って、介護職員や看護師などの人員配置基準は決められておらず、施設からの介護サービスも提供されていません。
介護が必要となった場合は、外部のケアマネジャーや介護サービス事業者と契約し、訪問介護や通所介護などの介護サービスを利用することになります。
生活の中での相談事は、施設の管理者や生活相談員が対応してくれます。
介護度が上がって、心身の状態が重度化したときは、ほかの介護施設へ移らなくてはならない場合があります。そのため、終身にわたる入居を希望する方はご注意ください。
健康型有料老人ホーム
健康型有料老人ホームは「自立型有料老人ホーム」とも呼ばれ、自立している高齢者が生活する施設です。
ほかの有料老人ホームと比べて数が少なく、全国に20施設しかありません。
元気な状態を維持することが目的の施設なので、スポーツジムや温泉、シアタールームや図書館といった健康を維持するための設備が充実しています。
介護面では、食事の提供や掃除、洗濯などの生活支援は受けられますが、介護サービスは提供されていません。
頃つしている方が対象の施設のため、身の回りのことができなくなったり、介護が必要になったりした場合には、契約を解除して退去することになります。
有料老人ホームの入居対象
有料老人ホームは、種類ごとに入居できる対象者が異なります。
介護付き有料老人ホームの入居対象
介護付き有料老人ホームの入居対象になるのは、介護専用型では、要介護認定で要介護1〜5の判定を受けた方です。
原則65歳以上の方が対象ですが、40歳以上65歳未満の方でも、厚生労働省が認定した「特定疾病」のある方は入居の対象になります。
混合型は、自立や要支援の判定を受けた方から要介護5の方まで幅広く入居できます。
住宅型有料老人ホームの入居対象
住宅型有料老人ホームは、主に65歳以上で、自立〜要介護5の方まで入居可能です。
ただし、施設によっては入居可能な年齢を60歳以上に設定していたり、60歳未満でも受け入れていたりするなど条件が異なるため確認が必要です。
健康型有料老人ホームの入居対象
健康型有料老人ホームの入居対象になるのは、主に60歳以上の方です。
健康で自立している方向けの施設のため、認知症の方や介護が必要な方は入居できません。
有料老人ホームの料金
有料老人ホームの料金は、入居時に支払う「入居一時金」と、毎月施設に支払う「月額利用料」の2種類があります。以下で詳しく見ていきましょう。
入居一時金
入居一時金は、入居する際に利用料金の一部を前払いする費用です。
数年から10年程度の償却期間が設定されており、期間内に退去した場合は未償却分が返金されます。以下は、入居一時金の相場です。
入居一時金の相場
介護付き有料老人ホーム | 0〜数百万円 |
住宅型有料老人ホーム | 0〜数千万円 |
健康型有料老人ホーム | 0〜1億円 |
注意点として、入居一時金がないまたは安い施設は、毎月の利用料金に上乗せされるため、月額利用料が高額になる傾向があります。
月額利用料
月額利用料とは、施設に毎月支払う費用を指します。内訳と費用相場は以下の通りです。
- 居住費
- 食費
- 管理費
- 上乗せ介護費用(基準以上の人員配置の場合)
- 介護サービス費の自己負担分
- その他(医療費、おむつ、嗜好品、理美容など)
月額費用の相場
介護付き有料老人ホーム | 15~35万円 |
住宅型有料老人ホーム | 10~40万円 |
健康型有料老人ホーム | 15~50万円 |
実際の料金は、入居一時金や介護サービス提供の有無、立地や設備などによって変わります。
なお、住宅型有料老人ホームの場合、介護サービスを利用しなければ介護サービス費はかかりません。
また、健康型は設備面が充実しているため、ほかの施設と比べて高額な設定になっています。
まとめ
有料老人ホームには3種類あり「介護付き」「住宅型」「健康型」に分けられます。
対象者やサービス内容、利用料金は施設ごとに異なるため、有料老人ホームの入居を検討するときには、よく確認して申し込みをしましょう。
気になる施設があれば、実際に見学や体験入居をして選ぶことをおすすめします。
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