社会福祉主事任用資格とは?仕事内容・取得方法・メリットを解説!

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「社会福祉主事任用資格って、結局どんな資格なの?」
「福祉の仕事に役立つって聞いたけど、取得方法がよくわからない…」
福祉の仕事に興味のある方の中には、そんな疑問を持つ方もいるのではないでしょうか。

この記事では、社会福祉主事任用資格の概要や取得方法、どんな仕事に活かせるのか、そして資格を取得するメリットについて、わかりやすく丁寧に解説します。

社会福祉主事任用資格を取得すれば、福祉職への就職や転職、さらには公務員職にもつながる可能性があります。ぜひ最後まで読んで、自分の未来を広げるヒントを見つけてください。

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社会福祉主事任用資格とは?

社会福祉主事任用資格とは、社会福祉法第19条に基づいて定められた、福祉行政に関する職務に就くための資格です。この資格において最も重要な点は、「任用資格」であるということです。

任用資格=「任命されて初めて職務に就ける資格」

任用資格とは、資格を取得しただけでは自動的にその職務に就けるわけではなく、実際に採用・任命されて初めて効力を発揮する資格のことです。

つまり、社会福祉主事任用資格を取得したとしても、福祉事務所などに採用されて初めて「社会福祉主事」として働けるのです。

国家資格との違いとは?

社会福祉主事任用資格と国家資格の違いを理解するために、同じ福祉分野の「社会福祉士」と比較してみましょう。

社会福祉士は国家試験に合格しなければ取得できない資格ですが、社会福祉主事任用資格は所定の要件を満たすことで取得可能な任用資格です。

具体的な違いは以下の通りです。

取得方法

社会福祉主事任用資格は大学での指定科目履修や養成機関の修了など複数のルートから選択できます。一方、社会福祉士は国家試験という一つの関門をクリアする必要があります。

名乗れる条件

社会福祉士は資格取得後に「社会福祉士」と名乗れますが、社会福祉主事任用資格は採用・任命されて初めて「社会福祉主事」として活動できます。

活躍分野

社会福祉主事は主に福祉事務所や社会福祉施設での業務が中心となり、社会福祉士はより広範囲な相談支援業務に携わることができます。

社会福祉主事任用資格社会福祉士
区分任用資格国家資格
取得方法指定科目の履修など国家試験に合格
名乗れる条件採用・任命後取得後
活躍分野福祉事務所、施設広範囲な相談支援業務

どんな仕事に活かせるの?

社会福祉主事任用資格を活かして働けるのは、主に福祉事務所や社会福祉施設における相談援助業務です。この資格を持つことで、福祉に関するあらゆる相談に応じる「現場の専門職」として活躍できます。

仕事内容の一例

  • 生活に困っている方からの相談受付
  • 必要に応じて家庭訪問し、状況を確認
  • 生活保護の申請手続きや支給調整
  • 自立支援や就労支援に向けた助言・指導
  • 他機関(医療・教育・司法など)との連携調整

社会福祉主事の仕事は、単に手続きを代行することではありません。相談者の生活全体を総合的に把握し、最適な支援制度やサービスにつなげていくコーディネーターとしての専門性が求められます。

働く場所の具体例

活躍の場は非常に幅広く、地方自治体の福祉事務所でケースワーカーとして働くのが最も一般的です。

そのほかには、地域包括支援センターでの高齢者支援、特別養護老人ホームの生活相談員、児童福祉施設での相談担当、障害者支援施設の支援相談員など、さまざまな福祉現場で専門性を発揮できます。いずれの職場でも、困っている人々の生活を支える重要な役割を担うことになります。

資格の取得方法は?【5つのルートを解説】

社会福祉主事任用資格の取得には、以下のような複数のルートがあります。

大学・短大で指定科目を3科目以上履修して卒業

最も一般的なルートです。厚生労働省が指定する社会福祉に関連する3科目以上を履修し、大学・短大を卒業すると自動的に任用資格が得られます。

【指定科目の例】
社会福祉概論、心理学、社会学、児童福祉論、老人福祉論、公的扶助論、法学、医学一般など

指定の養成機関で所定の課程を修了

社会福祉の専門学校などの養成機関で22科目(1,500時間)を修了すると取得可能です。全日制では2〜3年制が一般的で、通信制では最短1年で修了できるコースもあります。

通信教育課程の修了

以下の教育機関の通信課程でも取得可能です。

  • 中央福祉学院「社会福祉主事資格認定通信課程」
  • 日本社会事業大学の通信教育科

※3〜5日のスクーリング(対面授業)が必要です。

社会福祉士・精神保健福祉士の取得

これらの国家資格を持っていれば、社会福祉主事として任用可能な資格を持っているとみなされます。

都道府県が主催する講習会を修了

福祉関係者向けの「社会福祉主事認定講習会(19科目・279時間)」を修了すると取得できます。在職者向けに開催されることが多いため、日程に注意が必要です。

社会福祉主事任用資格のメリットとは?

社会福祉主事任用資格は、就職・転職・キャリアアップの面で大きなメリットをもたらします。特に福祉分野未経験の方にとっては、この業界への入り口として最適な資格です。

公務員職への道が開ける

福祉事務所のケースワーカーなど、福祉行政職として働くためにはこの資格が必須条件となります。公務員採用試験に合格すれば、安定した待遇と充実した福利厚生のもとで、長期的に福祉の仕事に携わることができます。地方自治体での福祉業務は社会貢献度も高く、やりがいも大きい職場環境です。

転職・就職で高評価

介護施設や福祉施設の生活相談員、地域包括支援センターの職員など、多くの福祉関連職場で応募条件として求められる資格です。

有資格者は書類選考や面接で優遇される傾向があり、就職活動を有利に進めることができます。特に相談援助業務では、この資格が専門性の証明として重視されます。

将来のキャリアアップにもつながる

社会福祉士や精神保健福祉士といった上位資格を目指す際の基礎的な知識と実務経験を得るうえで、この資格は大いに役立ちます。

実務経験を積みながら、より専門性の高い資格を取得することで、福祉分野でのキャリア形成を着実に進めることができます。

取得をおすすめするのはこんな方

福祉未経験から、地域で人の役に立つ仕事がしたい人

これから福祉の仕事に関わりたいと考えている方にとって、基礎知識を身につけ、実務に必要な最低限の資格を得られる機会となります。

介護職の経験を活かして、相談職にステップアップしたい人

これまでの現場経験にプラスして、相談援助業務にも対応できるスキルと資格を備えることで、より広い分野で活躍できるようになります。

安定した公務員職(ケースワーカー)を目指している人


公務員試験に合格し、福祉事務所などに配属されれば、公務員として働くことができます。安定した働き方を望む方にとって、この資格を取得するメリットは大きいと言えるでしょう。

まとめ

社会福祉主事任用資格は、大学での履修だけでなく、通信講座などを利用して取得することもできるため、仕事を続けながらでも無理なく学ぶことが可能です。

この資格を取得すれば、福祉施設の生活相談員や、福祉事務所のケースワーカーなど、公務員として働く道も開かれます。


さらに、将来的に社会福祉士など、より専門性の高い国家資格を目指す際の基礎にもなります。

人の役に立つやりがいのある仕事を目指している方は、まずこの資格の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

中谷ミホ

介護福祉士、相談員、ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。
現在はライターとして、介護業界での経験を活かし、介護・福祉に関わる記事を多く執筆しています。
保有資格:介護福祉士/ケアマネジャー/社会福祉士/保育士/福祉住環境コーディネーター3級

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