加配保育士とは?仕事内容や必要な資格、やりがいを紹介

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「加配保育士と一般の保育士では何が違うの?」「特別な資格が必要なの?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか。

加配保育士は、配慮が必要な子どもに寄り添い、園生活を支える大切な役割を担う保育士です。

この記事では、加配保育士の仕事内容や配置の仕組み、なる方法、やりがいまでをわかりやすく解説します。

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加配保育士とは

「加配(かはい)」とは、「加えて配置する」という意味の行政用語です。保育園では、子どもの年齢と人数に応じて配置すべき保育士の人数が定められています。ただし、障害のある子どもなど特別な配慮が必要な子どもが在籍する場合に、この通常の配置基準に上乗せして保育士を配置することがあります。この追加で配置される保育士が「加配保育士」です。

加配保育士が支援する対象は、身体障害や知的障害、発達障害などの診断を受けている子どもが基本です。ただし近年は、診断はないものの集団生活に困りごとを抱える子どもへの支援に関わるケースも増えています。

背景にあるのは、「インクルーシブ保育」という考え方の広がりです。インクルーシブ保育とは、障害の有無にかかわらず、すべての子どもが同じ場でともに育ち合う保育のことです。「みんなと同じように」ではなく「みんながそれぞれに安心して過ごせるように」環境を整える保育のあり方が求められるなかで、加配保育士はその中心的な担い手といえます。

実際、障害のある子どもを受け入れる保育所は年々増加しています。厚生労働省の調査によると、障害児保育を実施する保育所等は2020年度時点で約2万か所にのぼり、受け入れ施設数・児童数ともに増加傾向が続いています。加配保育士のニーズは、今後も高まっていくと考えられます。
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加配保育士の配置基準

加配保育士の配置について、国が定めた全国一律の基準はありません。加配は国の補助制度(療育支援加算・障害児保育加算)に基づく厚生労働省の支援施策ですが、具体的な配置基準は各自治体に委ねられているのが実態です。

自治体によって対応はさまざまで、「具体的な基準を設けていない」ところが多い一方、「障害の程度を問わず一律の基準を設けている」ところ、「障害の程度によって基準を変えている」ところもあります。基準を設けている場合は、おおむね「障害のある子ども2人に対して保育士1人」を水準とするところが多く、「3人に1人」としているケースもみられます。障害の種類や度合いによって必要な援助が異なるため、一律の規定を設けにくいという背景があります。

加配保育士の仕事内容

加配保育士の仕事は、担当する子どもの障害や特性によってさまざまです。一日の流れに沿って見ると、主に次のような業務があります。

登園時の受け入れ

その日の表情や体調をよく観察し、安心して一日を始められるよう声かけや環境調整を行います。保護者と離れることへの不安が強い子どもには、気持ちの切り替えをサポートします。

活動中のサポート

担当する子どもがクラスの活動に参加しやすいよう工夫します。例えば、音や光などの刺激に敏感な子どもには落ち着けるスペースを用意します。言葉での指示が伝わりにくい子どもには絵カードなどの視覚的な支援を取り入れます。友だちとのやり取りがうまくいかない場面ではさりげなく橋渡しをするなどの関わりです。

生活面の援助

食事・排泄・着替えなどの生活面の援助も大切な仕事です。無理のない範囲で自立を促しながら、その子のペースに合わせてサポートします。

記録・連携・保護者対応

子どもの日々の様子を記録し、一人ひとりに合った支援内容を検討します。また、担任保育士と情報を共有し、クラス全体の保育に生かすことも大切な役割です。さらに、保護者からの相談に応じたり、発達支援センターや自治体の巡回相談など外部機関との連携窓口になったりすることも、加配保育士の重要な役割です。

クラス全体を動かす担任とは異なり、加配保育士は担当する子どもの専属として、一人ひとりのペースに寄り添う保育を行う点が大きな特徴です。

加配保育士になるには

加配保育士になるために、特別な資格は必要ありません。保育士資格があれば、加配保育士として働くことができます。保育士資格の取得課程には障害児保育に関する学びが含まれているためです。なお、無資格でも働ける「保育補助」と混同されることがありますが、加配保育士は保育士資格を持って配置されるのが基本です(自治体によっては無資格の「加配保育者」を認めている例もあります)。

一方で、障害の種類や程度は子どもによって大きく異なり、資格取得時の学びだけではカバーしきれない場面も少なくありません。スキルアップの方法としては、保育士等キャリアアップ研修の「障害児保育」分野の受講が代表的です。修了すると処遇改善(給与への上乗せ)につながる場合もあり、知識と待遇の両面でメリットがあります。このほか、自治体や発達支援機関が実施する研修に参加して、発達障害の特性理解や具体的な支援方法を学ぶことも役立ちます。

加配保育士の給与

加配保育士の給与は、一般の保育士と同水準です。「加配」は配置上の役割であり役職ではないため、特別な手当は基本的にありません。

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、保育士の平均年収は約407万円(月給約27万7,000円)で、加配保育士もおおむねこれに準じます。

ただし、加配の対象となる子どもの有無や人数は年度ごとに変わるため、求人はパートや契約社員など非正規雇用が中心です。正社員として働きたい場合は、通常の保育士として採用され、園内の配置で加配を担当する形が現実的でしょう。

一方、保育士全体の給与は国の処遇改善施策により上昇傾向にあります。前述のキャリアアップ研修「障害児保育」分野を修了すれば、処遇改善加算による給与アップも見込めます。

やりがいと大変なところ

やりがい

加配保育士のやりがいとしてよく挙げられるのは、一人ひとりの子どもとじっくり向き合えることです。昨日までできなかったことが今日できるようになる瞬間を間近で見られること、保護者と一緒に子どもの成長を喜び合えることは、大きな喜びにつながります。

また、障害児保育の経験を通して、子ども理解や環境調整の視点が深まり、保育士としての専門性の幅が広がることも魅力です。

大変なところ

一方で、大変さもあります。同じ診断名でも子どもによって様子は異なり、前例がそのまま通用しないため、日々試行錯誤の連続です。

担当児の安全を守る責任から、緊張感を持ち続ける場面もあるでしょう。だからこそ、一人で抱え込まないことが大切です。担任や園全体と情報を共有し、巡回相談などで専門職の助言を受けながらチームで支える体制をつくることが、子どもにとっても保育士自身にとってもよい結果につながります。

まとめ

加配保育士は、特別な配慮が必要な子どもが園生活を安心して送れるよう、通常の配置に加えて配置される保育士です。特別な資格は不要で、保育士資格があれば挑戦でき、研修などで学びを深めながら成長していける仕事です。

インクルーシブ保育の広がりとともに、加配保育士が活躍する場面はこれからも増えていくと考えられます。「一人ひとりの子どもともっと丁寧に向き合いたい」と感じている方にとって、加配保育士は保育の新しい扉を開いてくれる選択肢になるはずです。興味を持った方は、まずはお住まいの地域の求人や自治体の制度を調べることから始めてみてください。

監修:中谷ミホ(社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、保育士)

中谷ミホ

介護福祉士、相談員、ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。
現在はライターとして、介護業界での経験を活かし、介護・福祉に関わる記事を多く執筆しています。
保有資格:介護福祉士/ケアマネジャー/社会福祉士/保育士/福祉住環境コーディネーター3級

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