保育士の平均年収はいくら?年収が変わる条件と収入アップの方法

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「保育士は給料が低い」というイメージから、保育士を目指すかどうか迷っている方や、今後の働き方を考えている現役の保育士さんは多いのではないでしょうか。たしかに以前はそのような時期もありましたが、近年は国の処遇改善が進み、保育士の年収は着実に上がってきています。

この記事では、最新の統計をもとに保育士の平均年収と、年収が変わる条件、収入を上げる方法までをわかりやすく解説します。

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保育士の平均年収は約407万円

厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」(2025年3月公表)によると、保育士の平均年収は約406万8,000円でした。これは、月給27万7,200円と年間賞与74万1,700円を合わせた金額で、保育士の平均年収が初めて400万円を超えました。

さらに、令和7年調査(2026年3月公表・速報値)では、平均年収は約427万6,000円(月給28万5,000円、年間賞与84万7,000円)となり、前年よりさらに増えています。速報値のため今後変更される可能性はありますが、保育士の給料が上がる傾向にあることがわかります。

全ての職業の平均年収と比べると、保育士の年収はまだ低い水準です。しかし、国による処遇改善などの取り組みもあり、その差は少しずつ縮まってきています。

保育士の年収はこの10年で上昇を続けている

保育士の年収は、この10年ほどで大きく伸びています。

厚生労働省の「賃金構造基本統計調査」によると、2013年(平成25年)の平均年収は約310万円でした。その後は毎年少しずつ増え、2023年(令和5年)には約397万円、2024年(令和6年)には約407万円となりました。10年ほどで約100万円上がったことになります。

こうした背景には、保育士の人手不足を解消するために国が進めてきた給料の改善(処遇改善)があります。2015年度から保育士の経験や役職などに応じて給料を上乗せする制度が始まり、その後も新たな制度が導入されるなど、保育士の給料は段階的に引き上げられてきました。

そのため、「保育士の給料は低いまま」というイメージを持つ人もいますが、実際には少しずつ改善が進んでいます。

年収が変わる4つの条件

平均年収はあくまで全体の平均値です。実際の年収は、次のような条件によって変わります。

1. 年齢・経験年数

保育士の年収は、年齢や経験を重ねるにつれて上昇していく傾向にあります。令和6年賃金構造基本統計調査では、20〜24歳と25〜29歳を比べると年収が約37万円上がっており、キャリアの初期から昇給が見込めることがわかります。その後も年齢とともに水準は上がり、役職に就く30代以降はさらに伸びやすくなります。

2. 役職

役職に就いているかどうかで、年収は大きく変わります。こども家庭庁「令和6年度幼稚園・保育所・認定こども園等の経営実態調査」によると、私立保育園の施設長の平均年収は約698万円、主任保育士は約568万円です。

また、保育士等キャリアアップ研修にもとづく「副主任保育士」「専門リーダー」(月額最大4万円)、「職務分野別リーダー」(月額5千円)といった中堅向けの役職手当もあり、役職により収入は段階的に上がっていきます。

3. 公立か私立か・施設の種類

同じ保育士でも、勤務先によって給与水準は異なります。こども家庭庁の同調査では、公立保育園のほうが私立よりも給与が高い傾向が示されています。公立保育園の保育士は地方公務員として働くため、公務員の給与体系にもとづく安定した昇給や手当が受けられるためです。

また、認可保育園、認定こども園、小規模保育事業など施設の種類によっても水準は変わります。ただし、私立でも運営方針によって高い給与を設定している園もあり、あくまで全体の傾向として捉えるのがよいでしょう。

4. 働く地域

都市部と地方では給料に差があり、自治体によっては保育士を支援する制度を設けているところもあります。たとえば、家賃を補助する「宿舎借り上げ支援」や、独自の手当がある自治体では、毎月の生活費の負担を抑えられることがあります。働く地域を選ぶときは、給料だけでなく、このような支援制度があるかどうかも確認しておくと安心です。

今後の見通し|処遇改善はさらに続く

保育士の処遇改善は、現在も続いています。これまで「処遇改善等加算Ⅰ〜Ⅲ」と分かれていた制度は、2025年(令和7年)4月に一つの制度へと見直され、保育園が活用しやすくなりました。

また、国は2024〜2025年にかけて、保育園の運営費のもとになる「公定価格」を過去最大となる10.7%引き上げました。さらに、2026年4月には約5.3%の追加引き上げも行われています。これにより、保育士1人あたり年間約20万円分の処遇改善が見込まれています(出典:こども家庭庁「令和7年度以降の処遇改善等加算について」)。

保育園の給料は、この「公定価格」をもとに決められるため、園だけの努力で大幅な給料アップを実現するのは簡単ではありません。しかし、公定価格そのものが引き上げられている現在は、保育士の給料も上がりやすい環境になっています。

ただし、実際にどのくらい給料に反映されるかは保育園によって異なります。転職や就職を考える際は、給料だけでなく、処遇改善の内容や昇給制度についても確認しておくと安心です。

保育士が年収を上げる方法

現役の保育士が年収を上げるには、主に次のような方法があります。

1.キャリアアップ研修を受けて役職を目指す

保育士等キャリアアップ研修の修了は、職務分野別リーダーや副主任保育士などの役職要件になっており、月額の手当につながります。

2.経験を積んで管理職を目指す

経験を重ねて、主任保育士や園長といった管理職を目指す方法です。

3.公務員試験を受けて公立保育園で働く

公務員試験を受け、公立保育園の保育士になる方法です。安定した給与体系が期待できます。

4.条件のよい園へ転職する

同じ地域でも、園によって給与体系や賞与は異なります。処遇改善の配分状況も含めて比較し、給与や手当の条件がよい園への転職を検討する価値があります。

まとめ

保育士の平均年収は、令和6年賃金構造基本統計調査で約407万円と初めて400万円を超え、令和7年調査の速報でも上昇が続いています。年齢や役職、勤務先によって差はあるものの、国の処遇改善が進み、経験や役職に応じて収入アップを目指しやすくなっています。

これから保育士を目指す方にとっては、待遇面の環境が整いつつある今は、挑戦しやすいタイミングといえます。現役の方も、キャリアアップ研修や職場選びによって収入アップを目指せる可能性があります。子どもの育ちを支えるやりがいのある仕事だからこそ、待遇面も納得できる形で、自分らしいキャリアを築いていきましょう。

監修:中谷ミホ(社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、保育士)

中谷ミホ

介護福祉士、相談員、ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。
現在はライターとして、介護業界での経験を活かし、介護・福祉に関わる記事を多く執筆しています。
保有資格:介護福祉士/ケアマネジャー/社会福祉士/保育士/福祉住環境コーディネーター3級

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