
「社会福祉士の仕事に興味があるけれど、給料面はどうなんだろう?」 「資格を取って働き始めたら、安定した生活は送れるの?」
社会福祉士を目指す方の中には、このような不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。やりがいのある仕事だと聞いていても、将来の生活を考えると収入面はやはり気になるところです。
本記事では、社会福祉士の平均年収について、職場別・雇用形態別・男女別にくわしく解説します。年収を上げる方法もあわせて紹介するので、社会福祉士を目指す方や資格取得を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
社会福祉士の平均年収はいくら?
公益財団法人社会福祉振興・試験センター「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果報告書」によると、社会福祉士の平均年収は約403万円です。月収に換算すると、おおよそ30万〜35万円程度となります。
平成27年度の同調査では約377万円だったため、5年間で26万円アップしました。福祉業界全体で人材確保が課題となっており、処遇改善が進められていることが背景にあると考えられるでしょう。
ただし、社会福祉士の年収は働く場所や雇用形態によって大きく異なります。「平均」はあくまで目安として、自分の希望する働き方と照らし合わせながら確認することが大切です。
【職場別】社会福祉士の平均年収
社会福祉士が活躍できる職場は幅広く、勤務先によって平均年収には大きな差があります。「令和2年度社会福祉士就労状況調査結果報告書」に記載されている、主な施設・事業所別の平均年収は以下のとおりです。
| 施設・事業所 | 平均年収 |
| 保護観察所・地方更生保護委員会 | 638万円 |
| 児童相談所 | 532万円 |
| 身体障害者更生相談所 | 504万円 |
| 都道府県庁 | 496万円 |
| 市区町村社会福祉協議会 | 475万円 |
| 区役所(特別区) | 454万円 |
| 更生保護施設 | 436万円 |
| 市役所・町村役場 | 436万円 |
| 特別養護老人ホーム | 423万円 |
| 障害者支援施設 | 416万円 |
| 病院・診療所 | 398万円 |
| 保育所 | 368万円 |
| 小学校・中学校(スクールソーシャルワーカー) | 268万円 |
出典:公益財団法人社会福祉振興・試験センター「令和2年度社会福祉士・介護福祉士・精神保健福祉士就労状況調査結果報告書」
それぞれの職場の特徴を見ていきましょう。
行政機関・司法関係は年収が高い傾向
保護観察所・地方更生保護委員会の平均年収は638万円と、社会福祉士の職場の中で最も高い水準です。これらの機関では、保護観察官や社会復帰調整官として、犯罪や非行をした方の社会復帰支援に携わります。
児童相談所(532万円)、都道府県庁(496万円)、区役所(454万円)、市役所・町村役場(436万円)など、行政機関全般で比較的高い平均年収となっています。児童相談所では児童福祉司として、生活に困難を抱える子どもや保護者の相談援助を行います。
これらの機関で働くためには公務員試験への合格が必要ですが、安定した収入と充実した福利厚生が魅力です。
社会福祉協議会も比較的高水準
市区町村社会福祉協議会の平均年収は475万円で、全体平均を大きく上回ります。地域の福祉サービスの企画・運営、ボランティア活動の支援、生活福祉資金の貸付など、地域福祉の要として幅広い業務を担います。
福祉施設は全体平均と近い水準
特別養護老人ホーム(423万円)や障害者支援施設(416万円)など、福祉施設で働く社会福祉士の平均年収は、全体平均の403万円と近い水準です。生活相談員や支援相談員として、利用者さんやそのご家族の相談援助に携わります。
介護老人保健施設は392万円、地域包括支援センターは386万円となっており、高齢者福祉関係の施設は全体平均をやや下回る傾向が見られます。
医療機関は全体平均とほぼ同じ
病院や診療所で働く社会福祉士は、医療ソーシャルワーカー(MSW)として、患者さんやそのご家族の相談援助を行います。具体的には、入院や退院に関する相談、医療費や生活費の不安への対応、退院後の在宅生活や転院先の調整など、医療と生活をつなぐ役割を担います。
病院・診療所の平均年収は398万円で、全体平均とほぼ同水準です。地域連携室の設置が進むなど、医療現場におけるソーシャルワーカーのニーズは高まっており、今後も活躍の場が広がっていくことが期待されます。
スクールソーシャルワーカーは低めの傾向
小学校・中学校で働くスクールソーシャルワーカーの平均年収は268万円と、他の職場と比べて低めです。これは非常勤での勤務が多いことが主な要因と考えられます。一方、大学・短大等の教育機関では平均456万円と高めで、同じ学校教育関係でも雇用形態によって大きく差が出ています。
【雇用形態別】正規・非常勤の年収の違い
社会福祉士の年収は、雇用形態によっても大きく変わります。同報告書によると、雇用形態別の年収分布は以下のような傾向が見られます。
- 正規職員:「300万円以上400万円未満」が25.9%と最多
- 契約職員:「200万円以上300万円未満」が32.2%と最多
- パートタイム職員:「103万円未満」が22.8%と最多
ライフスタイルや家庭の状況に合わせて働き方を選べる一方、収入面では正規職員のほうが安定する傾向にあるといえるでしょう。
【男女別】社会福祉士の平均年収
同報告書による社会福祉士の男女別平均年収は、男性が約473万円、女性が約365万円です。約108万円の差がありますが、これは雇用形態や勤続年数の違いが影響していると考えられます。女性は出産や育児などのライフイベントの影響で、非常勤やパートタイムで働く方の割合が男性より高い傾向にあるためです。
正規職員同士で比較すると、男女差はもう少し小さくなると考えられるでしょう。
社会福祉士が年収を上げる方法
年収アップにつながる方法を3つ紹介します。
1. 公務員として働く
行政機関や司法関係の機関で働く社会福祉士は、公務員給与規定に基づいた安定した収入を得られます。基本給に加えて通勤手当や住居手当などの諸手当が充実しており、勤続年数に応じた昇給も期待できます。
公務員として働くには公務員試験への合格が必要ですが、長期的に見れば収入面でのメリットは大きいといえるでしょう。
2. 役職・管理職を目指す
主任、相談部門の責任者、施設長などの役職に就くと、役職手当が加わり年収アップが期待できます。現場での経験を積み重ねるとともに、マネジメントスキルや後輩指導のスキルも磨いていくとよいでしょう。
3. ダブルライセンスでキャリアの幅を広げる
社会福祉士の資格に加えて、関連する資格を取得することで活躍の場が広がり、収入アップにつながる可能性があります。
社会福祉士と相性の良い資格には、精神保健福祉士、介護支援専門員(ケアマネジャー)、認定社会福祉士、公認心理師などがあります。担当できる業務の幅が広がるだけでなく、職場によっては資格手当が加算されるケースもあります。
まとめ

社会福祉士の平均年収は約403万円で、職場や雇用形態によって大きく変わります。保護観察所・地方更生保護委員会(638万円)や児童相談所(532万円)などの公的機関では比較的高い収入が期待でき、公務員として働いたり、役職を目指したりすることで、さらなる年収アップも可能です。
少子高齢化が進む日本では、福祉サービスへのニーズが今後も高まることが予想されます。社会福祉士は、安定した収入を得ながら社会貢献できるやりがいのある仕事です。ぜひ自分に合った働き方を見つけて、長く活躍できるキャリアを築いていきましょう。


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