居宅介護支援事業所とはどんなところ?役割や人員基準、サービス内容を紹介!

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居宅介護支援事業所とは、要介護認定を受けた方が介護保険サービスを利用するにあたり、拠点となる施設です。

利用者の現状や要望に応じてケアプランを作成し、適切な介護サービスを紹介するなど、さまざまな業務を行っています。

本記事では、居宅介護支援事業所の役割や人員基準、サービス内容について、くわしく解説していきます。

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居宅介護支援事業所とは?

居宅介護支援事業所はケアプランセンターとも呼ばれており、市区町村からの指定を受けて開設されています。

その概要をくわしく見ていきましょう。

居宅介護支援事業所の概要

居宅介護支援事業所の概要を「役割・人員基準・管理者の要件」の3つに分けて紹介します。

役割

要介護認定者に対して、自宅で自立した生活を送るための居宅サービス計画書(以降、ケアプラン)の作成や、介護サービスの調整を行います。

居宅介護支援事業所に常駐している介護支援専門員(以降、ケアマネジャー)は、利用者に適切なサービスを紹介し、調整する能力が求められます。

人員基準

居宅介護支援事業所では、少なくとも1人以上の常勤ケアマネジャーを配置しなければなりません。

ケアマネジャー1人につき利用者35人まで担当でき、以降は「利用者の数が35人、またはその端数を増すごとに増員」と定められています。

管理者の要件

平成30年度(2018年)の介護報酬改定で、居宅介護支援事業所の管理者は主任ケアマネジャーであることが要件となりました。

しかし、主任ケアマネジャーの要件を満たす人材が少なく、管理者の移行が進まないことから、経過措置期間が令和9年度(2027年度)まで延長されています。

また、離島など人員確保が困難な地域では、管理者が主任ケアマネジャー以外でも認められる場合があります。

居宅介護支援事業所で提供されるサービス

居宅介護支援事業所で、ケアマネジャーが利用者に提供する主なサービスを5つ紹介します。

要介護認定の申請代行

居宅介護支援事業所で介護保険サービスを受けるためには、自治体に申請を行い、要介護認定を受けなければなりません。

ケアマネジャーは、利用者の代行として介護認定の申請手続きが可能です。

さらに、介護保険の更新や区分変更申請などの手続きも代行できます。

ケアプランの作成

ケアマネジャーが、利用者や家族の心身の状況や生活環境、希望などに沿ってケアプランを作成します。

ケアプランの作成においては、特定のサービスや事業所に偏らず、中立な視点でサービスを案内することが重要です。

サービス提供事業者との連絡・調整

サービス利用開始後、作成したケアプランに基づいてサービスが提供されているかを事業所に連絡して確認します。

その他、サービス担当者会議の日程調整や、利用者に変化があった際の報告なども仕事のひとつです。

介護保険サービスの給付管理票の作成

介護保険サービスを提供する施設や事業所は、国民健康保険団体連合会に介護給付費を請求する必要があります。

介護保険サービスの費用を請求するための給付管理や、給付管理票を作成することもケアマネジャーの仕事です。

利用者の入退院や施設入所の支援

利用者の入退院の支援も、居宅介護支援事業所の業務範囲です。

また、在宅での介護が難しいと判断した場合は、老人ホームなどに入所するための紹介も行います。

居宅介護支援事業所の利用方法

ここからは、居宅介護支援事業所を利用できる人と、利用の流れについて解説します。

利用できる対象者

居宅介護支援事業所を利用できるのは、在宅介護サービスを利用する予定のある要介護1〜5の方です。

これは、居宅介護支援事業所が、要介護者のケアプラン(居宅サービス計画)を作成するためです。

なお、要支援1・2の方が介護保険サービスを利用する場合は、地域包括支援センターが窓口です。

要支援のケアプラン(介護予防サービス計画)は、基本的に地域包括支援センターのケアマネジャーなどが担当します。

居宅介護支援事業所の利用の流れ

利用の流れを、5つの項目に分けて紹介します。

1.要介護認定の申請・認定を受ける

居宅介護支援事業所を利用するためには、要介護の認定を受けていることが条件です。

2.介護サービス事業者の選定・契約をする

要介護の認定を受けたら、利用する居宅介護支援事業所を選定します。

事業所を選ぶ際のポイントは以下の3つです。

  • 地域の介護事情にくわしいか
  • 在籍しているケアマネジャーとの相性が良いか
  • 特定事業所加算を受けているか

特定事業所加算とは、質の高いケアマネジメントを提供している事業所に加算される介護報酬です。

利用する事業所が決まったら契約書を交わし、担当ケアマネジャーを選任します。

なお、一度契約した事業所が合わないと感じた場合、途中で変更することも可能です。

3.居宅介護支援事業所でケアプランを作成する

利用者宅でのヒアリングや、利用者や家族、サービス提供者と行う「サービス担当者会議」を経てケアプランを作成します。

4.介護サービスの利用を開始する

サービス提供者と契約を結び、サービスの利用を開始します。

5.モニタリングや評価に応じてケアプランを見直す

サービスの利用開始で、居宅介護支援事業所の業務が終わるわけではありません。

ケアマネジャーは月に1回以上利用者宅を訪問し、必要に応じてケアプランを見直します。

居宅介護支援事業所の利用料金

居宅介護支援は介護保険から全額給付されるため、利用者の自己負担はありません。

ただし、実際に介護保険サービスを受ける際には、利用者の所得に応じて1〜3割の自己負担金が発生します。

まとめ

居宅介護支援事業所とは、要介護認定を受けた方の介護相談を受け、適切なサービスを紹介する場所です。

介護サービス提供者と、利用者や家族との橋渡しになるケアマネジャーは、在宅介護において重要な役割を担っています。

居宅介護支援事業所とサービス提供者で密に連携を取り、より良いサービスの提供に努めていきましょう。

監修者:中谷ミホ
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、保育士

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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