終末期ケア専門士とは?資格取得方法や活躍の場・仕事内容を解説

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令和19年には、国民の3人に1人が65歳以上になると見込まれている日本において、人生の最期を迎える方々へのケアの重要性が高まっています。

そんな中、注目を集めているのが「終末期ケア専門士」という資格です。

今回は、終末期ケア専門士の資格取得方法や仕事内容、平均給与などをくわしく解説します。

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終末期ケア専門士とは

終末期ケア専門士は、日本終末期ケア協会(JTCA)が2020年に創設した比較的新しい民間資格です。

終末期に生じる、身体的・精神的・社会的・スピリチュアルな苦痛を総合的に理解し、患者やそのご家族を支援することを目的としています。

医療や介護の現場では、終末期を迎える方への対応に悩むスタッフも少なくありません。

そのような時、他職種のスタッフと連携を取りながら質の高いサービス提供につなげていくことも、終末期ケア専門士の重要な役割です。

終末期ケア専門士の取得方法

終末期ケア専門士の、令和8年度の受験要項を表にまとめました。

試験日時2026年10月9日(金)~10月31日(土)のいずれか1日
試験方式CBT試験(指定した会場のパソコンで行う方式)
受験料12,100円(税込)
申込期間2026年3月27日(金)~9月20日(日)※申請者が定員に達した時点で受付終了
受験の結果通知2026年11月下旬予定
終末期ケア専門士の認定登録登録料12,100円(税込)
備考5年ごとに更新が必要

ここから、資格取得方法について詳しく解説していきます。

受験資格

終末期ケア専門士の受験資格は、以下のいずれかの免許、およびその資格での実務経験2年以上を有する者になります。

  • 医師
  • 歯科医師
  • 看護師
  • 保健師
  • 薬剤師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 言語聴覚士
  • 臨床工学技士
  • 歯科衛生士
  • 管理栄養士
  • 介護支援専門員
  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 臨床検査技師
  • 公認心理師
  • 救急救命士
  • 放射線技師
  • 介護福祉士
  • 准看護師
  • 臨床心理士

医療や介護、心理など多様な資格を対象としているのが特徴です。

実務経験を証明する施設や団体などは、終末期ケア・ホスピスケア専門である必要はなく、看取りの経験の有無も問われません。

受験の申し込み方法

申し込みの流れは、以下の通りです。

  1. 日本終末期ケア協会のWebサイトにある「申し込みフォーム」より、受験申し込みと受験料の支払いを行う。
  2. 協会より、1か月以内に「審査結果通知」がハガキで送付される。受験資格を満たしていたら、ハガキの記載情報に従って受験日時と会場を予約する。

②の段階で受験資格を満たしていない場合は、事務手数料を除いた受験料が返還されます。

試験会場は全国300か所のテストセンターから選択可能で、地方在住の方でも交通費や宿泊費を抑えやすくなっています。

なお、受付期間中であっても申請者が定員に達した時点で受付終了となるため、受験を希望する方は早めに申し込みましょう。

くわしい申し込み方法はこちらをご確認ください。

試験内容

終末期ケア専門士の試験内容は、以下の通りです。

試験時間90分
出題範囲終末期ケア専門士 協会認定テキスト及び時事問題(協会WebサイトのJTCAゼミ等)
出題数90問(択一または択多問題)

協会認定のテキストでは、全9つの分野について学びます。

  1. 概論
  2. 終末期におけるチームケア
  3. 日常生活を支えるケア
  4. 身体症状とケア
  5. 家族ケアとグリーフケア
  6. 終末期を支えるナラティブ・アプローチ
  7. 看取り期のケア
  8. 地域でみる終末期ケア
  9. 疾患別終末期ケア

テキスト学習のみだと不安な方は、協会が実施する有料のWEB講習会の受講を検討してみましょう。

合格率

終末期ケア専門士試験の、過去3年間の合格率の推移を表にまとめました。

開催年受験者数合格者数合格率(%)
2023年4,4512,72061.1
2024年5,3533,51265.6
2025年5,2843,85873.0

                           (出典:日本終末期ケア協会)

合格率は例年60%〜70%台で推移しており、事前に勉強しておけば取得できる可能性の高い資格だと言えるでしょう。

また、受験者数も年々増加傾向にあり、資格への注目度の高さが伺えます。

終末期ケア専門士の活躍の場

終末期ケア専門士の主な活躍の場は、以下の通りです。

  • 病院
  • 介護老人保健施設
  • 特別養護老人ホーム
  • 介護付き有料老人ホーム
  • グループホーム
  • 訪問介護事業所
  • 訪問看護ステーション
  • (看護)小規模多機能型居宅介護事業所
  • ホスピス
  • 地域包括支援センター

近年は、住み慣れた自宅で最期を迎えたいと希望する方が増えており、訪問系サービスでのニーズも高まっています。

現場で患者の終末期ケアに従事するだけでなく、地域包括支援センターでご家族からの終末期ケアの相談・調整役を担うケースもあります。

終末期ケア専門士の仕事内容

終末期ケア専門士の主な仕事内容は、以下の2つです。

  1. 患者と家族に対する専門的なケア
  2. 多職種間でのチームケア

患者には、身体的な痛みや苦痛を和らげる「身体のケア」、死への恐怖に寄り添いながら、その人らしい最期を迎えられるよう援助する「心のケア」を行います。

それと同時に、ご家族が本人との最期の時間を悔いなく過ごすための環境整備や介護方法などの情報提供、延命措置への意思決定支援なども請け負います。

また、質の高いケアを提供するには医師・看護師・介護士・理学療法士・ケアマネジャーなどの多職種によるアプローチが不可欠です。

患者の状態を的確に医師に伝えて痛みをコントロールしたり、介護士と協力しながら体位変換や清拭などのケアを行ったりします。

看取りに伴って退院や転院が必要になるケースもあり、患者とご家族の意向を汲み取りながら、地域の病院や介護事業所などとの調整力も求められます。

終末期ケア専門士を取得するメリット

  • さまざまな職種の方と交流できて自身のスキルアップにつながる
  • 上位資格の取得も目指せる
  • 転職が有利になる可能性がある

終末期ケア専門士は、看護師やリハビリ職などの多様な職種と交流する機会が増えるため、より広い視野で業務に取り組めるようになると考えられます。

協会には「終末期ケア上級専門士」「JTCAアドバンスインストラクター」という上位資格があり、希望者はさらに専門性を高めることも可能です。

また、事業所が提供する終末期ケアは、所定の条件を満たすと「看取り介護加算」「ターミナルケア加算」という介護報酬が加算されます。

そのため、資格を取得していると終末期ケアに力を入れている施設への転職が有利になる可能性があります。

終末期ケア専門士の平均給与

Indeedによると、終末期ケア専門士の有資格者が多い職種の平均給与は理学療法士で月収約26.6万円、訪問看護師で月収約28.4万円とされています。

地域や事業所、保有資格などによって給与の違いが出てくるため、求職活動の際は複数の求人から待遇なども含めて比較することが大切です。

まとめ

終末期ケア専門士は、人生の最終段階を迎える方々に寄り添い、尊厳ある最期をサポートするスペシャリストです。

2020年に創設された比較的新しい民間資格にも関わらず、受験者数は増加傾向にあり、医療や介護施設での活躍の場も広がっています。

受験のハードルも低く、在宅で勉強できるため、スキルアップして業務の幅を広げたい方にもおすすめの資格です。

今回の記事で興味を持った方は、終末期ケア専門士の取得を検討してみましょう。
監修:中谷ミホ(社会福祉士、介護福祉士、介護支援専門員、保育士)

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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