福祉用具専門相談員とは?仕事内容、活躍の場、資格取得方法をご紹介!

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福祉用具専門相談員とは、利用者に適切な福祉用具を提案したり、調整したりする職種です。

福祉用具は、利用者の状態の悪化を防ぎ、利用者やそのご家族の介護負担を軽減するために重要な役割を担っています。

今回は、福祉用具専門相談員の仕事内容や活躍の場、資格を取得する方法についてくわしく解説していきます。

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福祉用具専門相談員とは

福祉用具専門相談員とは、福祉用具を利用する方やそのご家族に対して、適切な福祉用具の提案や説明などを行う専門職です。

ケアマネジャーと連携を取りながら、利用者の状態や生活状況を把握し、自立した生活をサポートします。

取り扱う福祉用具は、給付制度の概要によって、原則的に貸与の対象となる種目と例外的に販売の対象となる種目に分かれます。

主な貸与用品と販売用品を表にまとめました。

貸与用品(福祉用具貸与)販売用品(特定福祉用具販売)
車いす(付属品含む)特殊寝台(付属品含む)床ずれ防止用具体位変換器手すりスロープ歩行器歩行補助杖認知症老人徘徊感知器移動用リフト(つり具の部分を除く)自動排せつ処理装置腰掛便座自動排せつ処理装置の交換可能部分排せつ予測支援機器入浴補助用具(入浴用いす・浴槽用手すり・浴槽内イス・入浴台など)簡易浴槽移動用リフトのつり具の部分


貸与や購入できる福祉用具の種類は、要介護度に応じて異なります。
また、令和6年4月より、貸与用品の一部で購入が選択できるようになっています。

福祉用具専門相談員の仕事内容

福祉用具専門相談員の仕事内容は、以下の4つです。

  • 相談選定
  • 利用計画の作成
  • 適合と取り扱い説明
  • モニタリング(訪問確認)

順番に見ていきましょう。

相談選定

利用者の心身の状況や生活環境などから、問題を解決できる福祉用具を検討します。

2018年、貸与価格の適正化をはかる目的で福祉用具貸与価格に上限が設定されました。

福祉用具の貸与を提案する際は、用品の価格や特徴のほか、以下の2点を利用者に説明することが義務づけられています。

  • 提案する福祉用具の全国平均貸与価格を説明する。
  • 機能や価格帯の違う複数の商品を提示する。

福祉用具の価格設定は事業者の裁量で決められており、同一商品であっても平均的な価格と比べて高額なものも存在します。

福祉用具専門相談員は、福祉用具の平均的な価格を把握し、利用者にとって適切な商品を提案することが大切です。

利用計画の作成

利用者の相談内容や、ケアマネジャーが作成したケアプランを基に、福祉用具の利用計画書(福祉用具サービス計画)を作成します。

利用者の相談内容に対して、どのような福祉用具を貸与するのかを計画書に記載し、利用者の同意を得ることで貸与が可能となります。

福祉用具の適合と取り扱い説明

貸与する福祉用具が利用者の身体や使用環境に合うように調整を行い、取り扱いについて説明するのも重要な仕事のひとつです。

利用者とそのご家族に、福祉用具の使用方法や注意事項を説明し、安全かつ有効に使用してもらうよう努めます。

福祉用具利用のモニタリング(訪問確認)

福祉用具の使用開始後は利用者の自宅へ定期的に訪問し、福祉用具の状態や使用状況に問題がないか確認することが大切です。

利用者の状態や使用状況を見て、他の福祉用具の方が合っていると判断した場合は、再度計画書を作成して調整する必要があります。

なお、モニタリング(訪問確認)は、年2回実施することが義務づけられています。

福祉用具専門相談員の活躍の場

介護保険の指定を受けた福祉用具の貸与・販売を行う事業所では、福祉用具専門相談員の2名以上の配置が義務づけられており、活躍の場は多岐に渡ります。

主な活躍の場を以下にまとめました。

  • 福祉用具貸与事業所
  • 福祉用具販売店
  • 福祉用具メーカー
  • 福祉用具住宅改修事業所
  • 介護福祉用品売り場
  • 生活用品販売店
  • ドラッグストア
  • 特別養護老人ホーム(特養)
  • 介護老人保健施設(老健)

一般的に、福祉用具販売店では福祉用具の販売や提案が主な業務となるのに対し、特養や老健では介護業務がメインとなります。

自分が希望する働き方に応じて職場を選ぶと良いでしょう。

福祉用具専門相談員になるには

福祉用具専門相談員になる方法は以下の2通りあります。

  • 福祉用具専門相談員指定講習を修了する。
  • 特定の国家資格を取得する。

順番に見ていきましょう。

【方法1】福祉用具専門相談員指定講習を修了する

都道府県知事の指定を受けた研修機関が実施する「福祉用具専門相談員指定講習」を修了すると、資格を取得できます。

50時間のカリキュラムを受講後、修了評価試験に合格することが修了の条件です。

6〜8日程度で受講が完了し、オンラインでの受講も可能なので、働きながらでも取得しやすい点がメリットです。

基本的に受験資格はなく、介護未経験の方でも受講できますが、研修機関によっては受講要件を設定している場合もあります。

【方法2】特定の国家資格を取得する

特定の国家資格を取得している方は、福祉用具専門相談員として働くことが認められています。該当の資格は以下の8つです。

  • 保健師
  • 看護師
  • 准看護師
  • 理学療法士
  • 作業療法士
  • 社会福祉士
  • 介護福祉士
  • 義肢装具士

また、2015年4月の制度改正により以下の資格保持者は福祉用具専門相談員の資格要件から外れています。

  • ホームヘルパー1級・2級
  • 介護職員基礎研修
  • 介護職員初任者研修

該当する方は注意しましょう。

まとめ

福祉用具は、利用者やそのご家族の負担を軽減し、在宅生活を維持していくうえで欠かせない存在です。

今後、高齢者数の増加によって介護サービスのニーズはより一層高まるので、福祉用具専門相談員の需要も見込まれています。

福祉用具専門相談員の資格は、福祉用具専門相談員指定講習を修了すれば最短8日前後で取得できます。

興味のある方は、ぜひこの機会に受講を検討してみてはいかがでしょうか。

監修者:中谷ミホ
介護支援専門員、社会福祉士、介護福祉士、保育士

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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