
福祉の現場では、普段の生活ではあまり耳にしない専門的な用語が多く使われます。これらを事前に理解しておくことで、職場でのコミュニケーションが円滑になり、日々の業務もスムーズに進められるようになります。
この記事では、これから福祉職を目指す方に向けて、知っておくと役立つ専門用語を厳選してご紹介します。それぞれの意味と概要を押さえて、現場で自信を持って活用できるようにしましょう。
- 1.アセスメント
- 2.アドボカシー
- 3.エンパワーメント
- 4.インフォームドコンセント
- 5.ケアカンファレンス
- 6.ケアマネジャー(Care Manager)
- 7.サルコペニア
- 8.ソーシャルインクルージョン
- 9.ソーシャルキャピタル
- 10.ソーシャルワーカー(Social Worker)
- 11.ターミナルケア
- 12.拘縮(こうしゅく)
- 13.誤嚥(ごえん)
- 14.残存機能(ざんぞんきのう)
- 15.ノーマライゼーション
- 16.パーソン・センタード・ケア
- 17.バリアフリー
- 18.モニタリング
- 19.ユニバーサルデザイン
- 20.レスパイトケア
- 21.ADL(Activities of Daily Living)
- 22.ADL(Activities of Daily Living)
- 23.BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia / 認知症の行動・心理症状)
- 24. IADL(Instrumental Activities of Daily Living)
- 25. MSW(Medical Social Worker)
- 26. OT(Occupational Therapist)
- 27.PSW(Psychiatric Social Worker / 精神保健福祉士)
- 28. PT(Physical Therapist)
- 29. QOL(Quality of Life)
- 30. ST(Speech Therapist)
- まとめ
1.アセスメント
意味: 事前評価。
概要: 利用者の状況や課題を把握し、支援計画を立てるための評価手続きです。適切なケアプラン作成の基礎となります。
2.アドボカシー
意味: 権利擁護。
概要: 利用者の権利やニーズを代弁し、必要な支援を提供します。高齢者や障害者が不利益を被らないようにするための活動です。
3.エンパワーメント
意味: 問題解決能力を引き出す支援。
概要: 利用者が自分の力で問題を解決できるように促す考え方です。主体性を重視した福祉支援の柱です。
4.インフォームドコンセント
意味: 説明と同意。
概要: 利用者や患者に対し、サービス内容やリスクを十分に説明し、納得の上で同意を得るプロセスです。利用者の権利を尊重するために欠かせません。
5.ケアカンファレンス
意味: 利用者のケア方針を話し合う会議
概要: 多職種が集まり、最適な支援計画を立てます。利用者に合ったケアを提供するための重要な場です。
6.ケアマネジャー(Care Manager)
意味: 介護支援専門員、ケアマネジャー
概要: 利用者の介護計画を作成し、サービス提供者との調整を行う専門職です。ケアプランを通じて利用者が適切なサービスを受けられるように支援します。
7.サルコペニア
意味: 加齢による筋肉量の低下。
概要: 筋力が低下し、転倒や寝たきりのリスクが高まる状態です。予防策として運動や栄養管理が推奨されます。
8.ソーシャルインクルージョン
意味: 社会的包摂。
概要: 高齢者、障害者、経済的困窮者など、社会的に孤立しがちな人々を社会の一員として受け入れ、参加を促す取り組みです。社会全体での支え合いや多様性の尊重を目指し、孤立や排除を防ぐことを目的としています。
9.ソーシャルキャピタル
意味: 社会的なつながりや信頼関係という資源。
概要: 地域やコミュニティ内での人々の信頼、互助、交流などの社会的資源を指します。これが豊かなほど、人々が助け合い、地域包括ケアを機能させやすくなり、高齢者や障害を持つ人々が安心して暮らせる土台となります。
10.ソーシャルワーカー(Social Worker)
意味: 福祉援助を行う専門職の総称。
概要: 社会福祉士や精神保健福祉士などが含まれます。社会的な問題を抱える人々に対し、相談支援や必要なサービスの調整を行います。
11.ターミナルケア
意味: 終末期ケア。
概要: 人生の最終段階にある人々に対し、身体的・精神的な苦痛を和らげるケアを提供します。
12.拘縮(こうしゅく)
意味: 関節や筋肉が硬くなった状態。
概要: 動きが制限されるため、リハビリや適切なケアが必要です。
13.誤嚥(ごえん)
意味: 飲食物が気管に入ること。
概要: 高齢者や障害者の食事介助において注意が必要なリスクです。
14.残存機能(ざんぞんきのう)
意味: 残された身体的・精神的な能力。
概要: 利用者が持つ能力を活かした支援を行う際に重要な考え方です。
15.ノーマライゼーション
意味: 障害の有無に関わらず、すべての人が普通に生活できる社会の実現を目指す考え方。
概要: 障害者や高齢者が特別視されることなく、地域社会の中で他の人と同じような生活を送ることができる社会環境を整えることを重視します。この理念は福祉の基本的な価値観として広く採用されています。
16.パーソン・センタード・ケア
意味: 利用者一人ひとりを中心に据えたケア。
概要: 利用者の生活歴、価値観、個性を尊重し、その人に合わせた支援を行うアプローチのこと。利用者を「受け身の対象」ではなく「主体」として捉えることで、より豊かな生活と自立を支えます。
17.バリアフリー
意味: 障害を持つ方が生活しやすい環境作り。
概要: 段差のない建物や手すりの設置など、物理的な障壁を取り除く取り組みです。誰もが安心して暮らせる社会を目指します。
18.モニタリング
意味: 支援計画の進行状況確認
概要: 利用者の状態や支援計画の効果を定期的に確認し、必要に応じて計画を見直すプロセス。
19.ユニバーサルデザイン
意味: 全ての人に使いやすい設計・デザイン。
概要: 年齢、性別、障害の有無、体格、文化的背景などに関わらず、すべての人が安全かつ快適に利用できるよう配慮された製品や空間設計のこと。
20.レスパイトケア
意味: 介護者の負担軽減のための一時的な介護サービス。
概要: 家族などの介護者が休息を取れるように、一時的に介護が必要な方を施設や短期入所サービスで預かることで、介護者の心身の健康を守り、介護を長く続けられるようにする目的があります。
21.ADL(Activities of Daily Living)
意味: 日常生活動作。
概要: 食事、排泄、入浴、移動など、日常生活を送るための基本的な動作を指します。介護計画を立てる際の基礎的な評価指標です。
22.ADL(Activities of Daily Living)
意味: 日常生活動作。
概要: 食事、排泄、入浴、移動など、日常生活を送るための基本的な動作を指します。介護計画を立てる際の基礎的な評価指標です。
23.BPSD(Behavioral and Psychological Symptoms of Dementia / 認知症の行動・心理症状)
意味: 認知症に伴う行動・心理的な問題。
概要: 幻覚、妄想、徘徊、不安、興奮、うつ状態など、認知症のある方に見られる行動・心理症状を指します。ケア提供者は、これらを理解・評価して個別の対応策を講じることで、利用者の生活の質向上を目指します。
24. IADL(Instrumental Activities of Daily Living)
意味: 日常生活関連動作。
概要: 買い物、掃除、料理、電話対応など、日常生活を支えるために必要な複雑な動作を指します。ADLよりも高いレベルの生活能力を測る指標です。
25. MSW(Medical Social Worker)
意味: 医療ソーシャルワーカー。
概要: 医療機関で患者や家族の社会的問題を支援します。医療と福祉の架け橋となる存在です。
26. OT(Occupational Therapist)
意味: 作業療法士。
概要: 日常生活動作や作業を通じて、身体機能や心理的な健康の回復を支援する専門職です。生活の質を向上させるためのリハビリを行います。
27.PSW(Psychiatric Social Worker / 精神保健福祉士)
意味: 精神保健福祉士。
概要: 精神疾患を抱える人々をサポートする専門職です。精神科医療や地域福祉の現場で、精神疾患を持つ利用者の生活面や社会的課題に対する相談・支援を行います。
28. PT(Physical Therapist)
意味: 理学療法士。
概要: 運動療法や物理療法を用いて、利用者の身体機能の改善を図る専門職です。リハビリの重要な担い手です。
29. QOL(Quality of Life)
意味: 生活の質
概要: 身体的、精神的、社会的な満足度を含む、生活全般の質を評価する概念です。利用者の満足度や幸福度を高める支援において重要です。
30. ST(Speech Therapist)
意味: 言語聴覚士。
概要: 言葉や飲み込み(嚥下)に関する問題を抱える方に対して、訓練や治療を行う専門職です。コミュニケーション能力の改善や嚥下機能の回復を目指し、リハビリテーションを提供します。

まとめ
専門用語の理解は、信頼される福祉職員になるための大切な基盤です。今回ご紹介した用語を参考に、福祉の仕事への理解を深め、現場で役立てていきましょう。
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