認知症ケア専門士とはどんな資格?役割や認定試験について紹介!

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認知症ケア専門士は、認知症に関する専門的な知識やケア方法を身につけられる資格です。

国内の認知症高齢者の数は増加の一途を辿っていることから、認知症ケア専門士に興味を持つ方も増えているのではないでしょうか。

本記事では、認知症ケア専門士の役割や、資格を取得する方法についてくわしく解説します。

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認知症ケア専門士とは

認知症ケア専門士とは、認知症介護の専門家を育成するための民間資格です。

一般社団法人日本認知症ケア学会が認定しており、資格取得後は5年ごとの更新が義務づけられています。

認知症ケア専門士を取得する過程で、認知症に関する知識や倫理観、また認知症の方ならびにそのご家族に対するケア方法を学べます。

認知症ケア専門士の役割

認知症ケア専門士は、認知症の方が利用する介護施設の現場にて、専門的なケア方法を浸透させる重要な役割を担っています。

例えば、認知症の方が「家に帰りたい」と繰り返し話されるとき、本人の気持ちに寄り添いながらスタッフにも対処法を助言できるのです。

現場で適切な知識と技術を浸透させることにより、業務が円滑に進むようになり、スタッフの負担軽減にもつながります。

また、現場では認知症の方のご家族から、対応方法や今後のサービス利用について相談を受けることも珍しくありません。

そのようなとき、的確な助言や提案をおこなえる認知症ケア専門士は、ご家族にとって頼もしい存在だと言えるでしょう。

認知症ケア専門士の認定試験について

ここから、認知症ケア専門士の認定試験についてくわしく解説していきます。

受験資格

受験資格を得るには、認知症ケアの関連施設や団体で3年以上の実務経験が必要です。介護福祉士などの資格を持っている場合でも、同様に3年以上の実務経験が求められます。

なお、実務経験の対象期間は、受験する年度の3月31日から逆算して10年以内となっています。

ボランティア活動や実習などは、実務経験に含まれないので注意しましょう。

試験概要

認知症ケア専門士の試験概要を表にまとめました。

試験日時年1回開催一次試験・・・例年7月頃二次試験・・・例年8~9月頃
受験費用一次試験・・・3,000円×受講分野数(4分野で12,000円)
二次試験・・・8,000円

一次試験は、4分野すべての合格をもって一次試験合格となり、一度合格した分野は5年間有効です。

今年度の試験日程に関しては「認知症ケア専門士認定試験」のサイトでご確認ください。

試験内容

認知症ケア専門士の試験内容を表にまとめました。

一次試験二次試験
試験方法パソコン等を使用し、インターネット上でおこなうWeb試験2次試験の申請期間中に、ほかの申請書類とともに提出
試験内容以下の各分野より50問/合計200問五者択一の選択式
認知症ケアの基礎認知症の実際Ⅰ:総論認知症の実際Ⅱ:各論認知症ケアにおける社会資源
認知症ケアの事例(3題)に関する論述
出題範囲「認知症ケア標準テキスト」に準じた内容「認知症ケア標準テキスト」に準じた内容
合格基準各分野で7割以上の正答率※一度合格した分野は5年間有効論述の評価により、以下の5つの基準を満たした者適切なアセスメントの視点を有している者認知症を理解している者適切な介護計画を立てられる者制度および社会資源を理解している者認知症の人の倫理的課題を理解している者

                        (出典:認知症ケア専門士認定試験

一次試験合格後に二次試験に進み、いずれも試験会場に出向くことなく自宅で受験します。

一次試験の1か月ほど前に、Web上での事前動作確認期間が設けられているので必ず実施しましょう。

合格率

近年の認知症ケア専門士の合格率は以下の通りです。

開催年受験者数(人)合格者数(人)合格率(%)
2021年(第17回)3,0631,64553.7
2020年(第16回)2,5501,44256.5
2019年(第15回)4,8932,60753.3

                                          (出典:日本認知症ケア学会認定 認知症ケア専門士公式サイト

例年50%代で推移しており、難易度は普通~やや難しい程度と言えます。

難しく感じる方は「認知症ケア専門士認定試験」公式サイトで案内されている対策講座を受講するのもおすすめです。

上級資格でスキルアップを目指そう

認知症ケア専門士には「認知症ケア上級専門士」という上位資格があります。この資格は、以下の受験資格を満たした後、筆記試験に合格すると取得できます。

  • 認知症ケア専門士としての経験が3年以上
  • 認知症ケア専門士の30単位以上を取得
  • 認知症ケア上級専門士研修会の修了
  • 事例発表や論文発表の経験

認知症ケア上級専門士のハードルは高く、2023年の合格者は18名と決して多くはありません。

しかし、資格を得ることにより深い知識とスキルを身につけ、ケアチームのリーダーや地域のアドバイザーなどのキャリアアップも期待できます。

認知症ケアに興味がある方は、ぜひ上級資格の取得も検討してみましょう。

まとめ

2025年には65歳の約5人に1人が認知症になると見込まれるなか、知症ケア専門士は、医療・介護現場はもちろん、地域社会や行政など幅広い分野でその活躍を期待されています。

認知症の方への適切なケアは、ご本人の生活の質を向上させるだけでなく、介護を担うご家族や介護スタッフの負担軽減にもつながります。

認知症ケアに興味がある方は、ぜひ認知症ケア専門士の取得を検討してみてはいかがでしょうか。

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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