「介護福祉士と社会福祉士は何が違うのだろう?」と疑問に思う方もいるのではないでしょうか?
介護福祉士と社会福祉士は、どちらも国家資格であり、資格を取得するには国家試験を受けて合格する必要があります。
本記事では、介護福祉士と社会福祉士について、資格の難易度や仕事内容の違いを紹介します。
介護や福祉の仕事に就きたい方は、ぜひ参考にしてください。
仕事内容の違い
介護福祉士の主な仕事は、主に介護施設や訪問介護事業所などにおいて、家事や食事のサポートなどの生活支援や、身体介護を提供することです。
介護や身の回りのお世話だけでなく、日常生活に支障のある方々が自立した生活が送れるよう支援するという役割を担っています。
一方で、社会福祉士は、高齢者や障害がある方以外にも子供や低所得者など幅広い方々の支援を行います。困りごとのある方からの相談を受け付け、問題解決のためのアドバイスや、必要な支援を受けられるように関係機関との調整を行うことが主な仕事です。
資格取得の難易度の違い
介護福祉士と社会福祉士の資格取得の難易度は大きく異なります。
それぞれの国家試験(筆記試験)の合格率を比較して、以下の表にまとめました。
介護福祉士試験の合格率 | 社会福祉士試験の合格率 | |
第32回 令和1年度 | 69.9% | 29.3% |
第33回 令和2年度 | 71.0% | 29.3% |
第34回 令和3年度 | 72.3% | 31.1% |
介護福祉士と社会福祉士の合格率を比較してみると、介護福祉士試験は70%前後で推移しており、取得しやすい資格と言えます。
一方、社会福祉士の合格率は30%前後であり、介護福祉士と比較すると難易度が高い試験であることがわかります。
給料の違い
次に、それぞれの給料の違いを確認しましょう。
以下の表は、事業所別の平均給与額です。(常勤の場合)
介護福祉士 | 社会福祉士 | |
平均 | 328,720円 | 363,480円 |
介護老人福祉施設 | 356,310円 | 378,110円 |
介護老人保健施設 | 347,570円 | 371,640円 |
訪問介護事業所 | 321,350円 | 368,570円 |
通所介護事業所 | 289,000円 | 315,670円 |
認知症対応型共同生活介護事業所 | 306,430円 | 397,800円 |
上記の通り、介護福祉士と社会福祉士の平均給与を比べると、月額で約3.5万円の差があることがわかります。
ただし、介護福祉士の給料については、国が介護職員の人員確保や定着を促進するため、給与を上げる政策を行っています。そのため、今後は介護福祉士の待遇は改善されていくと予測されます。
資格の取得方法
それぞれの資格の取得方法を解説します。
介護福祉士資格の取得方法
介護福祉士の国家試験は、誰でも受けられるものではなく、必要な受験資格を満たした人のみが受験できます。介護福祉士の受験資格を得るには、4つのルートがあります。
【介護福祉士の受験ルート】
- 養成施設ルート
- 実務経験ルート
- 福祉系高校ルート
- 経済連携協定(EPA)ルート
どのルートで介護福祉士を目指すとしても、国家試験に合格しなければ資格は取得できません。
【介護福祉士の受験資格ルート図】
社会福祉士の取得方法
社会福祉士の国家試験を受ける場合も、受験資格が必要です。
受験資格の取得ルートは大きく3つに分かれています。どのルートでも必ず指定のカリキュラムを修了しなければ受験資格を得られません。
【社会福祉士の受験ルート】
- 福祉系大学等ルート
- 短期養成施設ルート
- 一般養成施設ルート
働きながら資格を取得することも可能ですが、社会福祉士の受験ルートは、必ず学校に通わなければ受験資格を得られないため、職場への相談が必要です。
【社会福祉士の受験資格ルート図】
引用:公営期財団法人 社会福祉振興・試験センター
よくある質問
介護福祉士と社会福祉士の違いは?
介護福祉士は、障害のある方や高齢で介護が必要な方の自立支援を目的とした、生活援助や身体介護を提供することが主な業務です。活躍できる場所は、介護施設や訪問介護事業所などがあげられます。
社会福祉士は、日常生活上で困りごとのある方の相談援助を行うことが主な業務です。問題解決のためのアドバイスや、必要な支援を受けられるように関係機関との調整などを行います。活躍できる場所は、行政機関や児童福祉施設、障害者支援施設、介護施設、医療機関などさまざまです。
介護福祉士と社会福祉士の両資格を持つメリットはありますか?
2つの資格を持つことで、専門的な知識が深まることがメリットです。
社会福祉士の幅広い福祉の専門知識に、介護福祉士の知識や技術が加わることで、利用者へより専門的なサービスを提供できるようになります。
また、介護現場で実務経験がある社会福祉士であれば、現場の動きや考えが理解できるため、他職種との連携が図りやすく、家族からの相談も実体験をもとにアドバイスや支援を行うことができるでしょう。
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