就労継続支援A型の職員の仕事内容・必要資格・給料を紹介

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障がい者支援の仕事を検討するなかで「就労継続支援A型事業所って、どんなところなんだろう?」と気になる方も多いのではないでしょうか。

本記事では就労継続支援A型の概要や、職員の仕事内容、必要な資格などについてわかりやすく解説します。

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就労継続支援A型とは

就労継続支援A型(以下、A型事業所)とは、障がいや病気などにより一般企業で働くのが難しい人に対して、働く場を提供する福祉サービスです。

利用者はA型事業所と雇用契約を結び、必要な支援を受けながら就労して、最低賃金以上の給料を受け取ります。

利用対象者

A型事業所の主な利用対象者は以下の通りです。

  • 就労移行支援を利用していたが、一般企業などの雇用に結びつかなかった方
  • 特別支援学校を卒業して就職活動をしたが、一般企業などの雇用に結びつかなかった方
  • 一般企業などでの就労経験がある方で、現在雇用関係がない方
  • 利用開始時に65歳未満の方

なお、次の要件に該当する方は、65歳以降も引き続きサービスを利用できます。

  • 65歳に達する前5年間、障害福祉サービスの支給決定を受けている
  • 65歳に達する前日にA型事業所の支給決定を受けている

難病や障がいを抱えつつも、雇用契約に基づいて就労可能な方が対象となります。

就労継続支援B型との違い

就労継続支援B型(以下、B型事業所)は、利用者と事業者が雇用関係を結ばないのが、A型事業所と異なる点です。

年齢や体調などにより、毎日決まった時間に働くのが難しい利用者も、自分のペースに合わせて働けるのがメリットだと言えるでしょう。

反面、A型事業所と比較すると利用者の給料(工賃)は少ない傾向にあります。

また、A型事業所には65歳未満という年齢制限がある一方、B型事業所には利用者の年齢制限がありません。

就労移行支援との違い

就労移行支援は、障害者総合支援法に基づくサービスです。

一般企業などで就労できると見込まれる方に対して、就職活動の支援や就職後に必要な相談支援などを提供します。

利用者が一般企業への就労を目指していること、利用期間が決められていること(原則2年・最長3年)がA型事業所と異なる点です。

就労移行支援では事業所と利用者は雇用契約を結ばず、給料も基本的には発生しない点も、A型事業所との違いになります。

就労継続支援A型の職員の人員基準

A型事業所の人員基準を表にまとめました。

職種配置基準
管理者常勤で1名
サービス管理責任者常勤で1名・利用者が60名までは1名、以降40名またはその端数を増すごとに1名を追加で配置(追加で配置する場合は非常勤も可)
職業指導員利用者10名までは1名、以降10名またはその端数を増すごとに1名を追加で配置
生活支援員利用者10名までは1名、以降10名またはその端数を増すごとに1名を追加で配置

職業指導員と生活支援員のうち、いずれか1名は常勤である必要があります。

管理者やサービス管理責任者は専従が望ましいとされていますが、業務に支障がない範囲で兼務することも可能です。

就労継続支援A型の職員の仕事内容

A型事業所の職員の仕事内容を、職種別に見ていきましょう。

管理者の仕事内容

管理者は事業所の運営責任者として、主に以下の業務を担当します。

  • 職員の労務管理や業務の進捗管理
  • 利用者やそのご家族に対するサービス内容の説明・契約手続き
  • 利用者の労働時間の管理・法令を遵守できているかどうかの確認と指導

職員と利用者、両方の労務管理を行うのが一般的な事業所と異なる点です。

サービス管理責任者の仕事内容

サービス管理責任者は、利用者1人ひとりに合わせたサービスの提供計画を作成するのが主な仕事です。

  • 利用者の課題を分析し、個別支援計画を作成
  • 計画の定期的な評価と見直し
  • 医療機関や他の福祉サービス事業所などとの連絡・調整
  • 各種記録・請求業務

このほか、事業所によっては生活支援や職業訓練のサポートに入る場合もあります。

職業指導員の仕事内容

職業指導員は、利用者の作業が円滑に進むよう、個別支援計画に基づいてサポートするのが仕事です。

  • 利用者の目標に沿った作業指導や職業訓練の実施
  • 利用者の適性に応じた作業の割り当てや進捗管理
  • 作業記録の作成と日々の業務報告
  • 作業に必要な材料の調達や製品の納品などの取引先との調整
  • 利用者の一般就労に向けた相談対応や情報提供

利用者が就労を通じて自信や達成感を得られるよう、専門的な視点から援助します。

生活支援員の仕事内容

生活支援員は、利用者が日常生活や社会生活をスムーズに送れるよう支援するのが主な役割です。

  • 利用者の通院同行や服薬管理などの健康サポート
  • 職場での人間関係や生活上の悩みに関する相談対応
  • 利用者の送迎

職業指導員と一緒に利用者の作業を手伝ったり、作業の進捗管理を行ったりする事業所もあります。

就労継続支援A型の職員に必要な資格

A型事業所の職員に必要な資格、または持っていると役立つ資格を職種別に紹介します。

管理者

多くの都道府県で、以下のいずれかを満たすことが要件となります。

  • 社会福祉主事任用資格
  • 社会福祉事業に2年以上従事
  • 企業経営の経験
  • 社会福祉施設長認定講習会を修了

特定の要件がない自治体もありますが、事業所運営を担う職種のため、障がい者福祉に関する幅広い業務経験を積んでおくことが望ましいです。

サービス管理責任者

以下すべての要件を満たす必要があります。

  • 既定の分野・職種での実務経験(3~8年)
  • 相談支援従事者初任者研修の講義部分の一部を受講
  • サービス管理責任者等の基礎研修・実践研修の受講
  • サービス管理責任者等更新研修の受講(5年ごと)

サービス管理責任者になるには、元々の保有資格にもよりますが最低でも5年以上の期間を要することもあり、人員確保に苦労する事業所が多いです。

上記の課題を解消するため、一定の要件を満たしたうえでのみなし配置などの緩和措置が設けられています。

サービス管理責任者になる方法についてさらにくわしく知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。

サービス管理責任者になるには?資格取得に必要な実務経験や研修について解説!

職業指導員・生活支援員

いずれの職種も、特に必要な要件はありません。

しかし業務の特性上、以下のいずれかの資格を保有しておくと、より専門的な支援が可能になります。

  • 社会福祉士
  • 精神保健福祉士
  • 介護福祉士
  • 介護福祉士初任者研修

上記のうち、最も取得のハードルが低いのは介護福祉士初任者研修です。

受講要件がなく、130時間の研修受講と修了試験に合格すれば取得できるので、現在無資格の方は検討してみましょう。

就労継続支援A型の職員の給料

A型事業所の職員の平均給料を、職種別にまとめました。

職種常勤非常勤
管理者290,595円122,376円
サービス管理責任者260,995円205,946円
職業指導員176,471円102,293円
生活支援員203,506円97,336円

                (出典:厚生労働省「令和5年障害福祉サービス等経営実態調査結果(p.28)」

全体的な給与水準は決して高くはないものの、夜勤や残業はほとんどないのがメリットと言えます。

収入アップを目指す方は、福祉系の国家資格の取得や、サービス管理責任者になることを目指すのもひとつの方法です。

まとめ

A型事業所の職員は、障がいや難病を持つ利用者が自身の特性やスキルを活かしながら働けるよう支援する、やりがいのある仕事です。

職種によって仕事内容や給料が異なるため、自分の希望に合った働き方ができるよう、本記事の内容をぜひ参考にしてください。

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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