児童指導員になるには?任用資格の要件や働ける場所・仕事内容を解説!

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「児童指導員」とは、児童福祉分野で活躍できる職種のひとつです。

近年、発達障がいと診断される子どもや療育施設数が増加している背景から、児童指導員の需要が高まっています。

そこで本記事では、児童指導員の任用資格の要件や働ける場所、仕事内容についてくわしく解説します。

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児童指導員とは

児童指導員とは、さまざまな事情で家庭環境上養護を必要とする児童が入所または通所する施設などで、子ども達の育成や生活指導を行う職種です。

施設を利用する子ども達が健やかに成長し自立できるよう、18歳以降の生活も見越した支援を行います。

子ども達にとって、時には親代わりであり、時には遊び相手や良き相談相手でもある存在です。

児童指導員になるには任用資格が必要

児童指導員として働くには、児童指導員の任用資格の要件を満たす必要があります。

任用資格を満たす方法について、くわしく見ていきましょう。

児童指導員任用資格とは

任用資格とは国が定めた資格基準のことで、その職種に就くために必要な資格や学歴、実務経験をさします。

「児童指導員」という資格名は存在せず、任用資格の要件を満たした後にその職種に任命されてはじめて、児童指導員を名乗れます。

そのため、児童指導員として就職する際は、任用資格を証明する書類(卒業証明書・実務経験証明書など)が必要です。

児童指導員任用資格を得る要件

「児童福祉施設の設備及び運営に関する基準 第43条」によると、児童指導員の任用資格の要件は主に4つあります。

1.大学・大学院で所定の専門課程を修了

国内外の大学または大学院で、以下を専修する学科またはこれらに相当する課程を修めて卒業した方は、児童指導員の任用資格を得られます。

  • 社会福祉学
  • 心理学
  • 教育学もしくは社会学

なお、短大卒の場合は任用資格の要件を満たせないため注意しましょう。

2.社会福祉士・精神保健福祉士の資格を保有

社会福祉士または精神保健福祉士の資格を有する方は、児童指導員の任用資格を得られます。

3.教員免許状・幼稚園教諭免許状を保有

幼稚園、小・中・高校の教員免許を有する方は、児童指導員の任用資格を得られます。

なお、保育士資格は児童指導員の任用資格に該当しないため注意が必要です。

4.児童福祉施設で2年以上の実務経験がある

最終学歴が高卒以上で、上記1〜3の条件に当てはまらない場合は、所定の児童福祉事業に2年以上従事すれば、児童指導員の任用資格を得られます。

中卒の場合でも、3年以上所定の児童福祉事業に従事すれば任用資格を得られます。

児童指導員の働ける場所

児童指導員が働ける主な施設とその概要を表にまとめました。

施設名称概要
児童発達支援就学前の障がいを持つ児童が対象。日常生活における基本的な動作の指導や、集団生活への適応訓練などを行う通所施設。
放課後等デイサービス小・中・高校に就学中の障がいを持つ児童が対象。放課後や夏休みなどの長期休みを利用して、生活能力向上のための訓練や地域との交流などを行う通所施設。
障害児入所施設家庭での養育が困難な、障がいを持つ児童が対象。身体介助や、日常生活に必要な動作や知識の習得などを行う入所施設。
乳児院0〜1歳未満の乳幼児が対象。保護者が事情により子どもの面倒を見られない場合、または虐待されている場合などに預かり、養育にあたる入所施設。
児童養護施設1〜18歳までの児童が対象。保護者の病気や死別、または保護者からの虐待などの理由で保護者と暮らせない子どもを保護し、基本的な生活習慣や学習習慣を指導する入所施設。

児童指導員が働ける主な場所は児童福祉施設ですが、保育園や認定子ども園は該当しないという特徴があります。

就労場所により異なる専門知識が求められるため、自分が興味のある施設がどのようなサービスを提供しているのか、事前に把握しておきましょう。

児童指導員の主な仕事内容

児童指導員の主な仕事内容は勤務先によって異なりますが、通所施設か入所施設かによっても支援内容に違いがあります。

通所施設の場合

通所施設の場合は、児童に対して作成した個別支援計画に基づき、療育を実施・評価するのが主な仕事です。

児童の自立と社会参加を目的として、児童の発達状況に応じた訓練や創作活動、地域との交流など幅広い支援を行います。

また、児童だけでなく保護者の育児の悩みに寄り添い、適切な助言をすることも重要な仕事のひとつです。

事業所によっては、児童の送迎業務も担うこともあります。

入所施設の場合

入所施設の場合は、食事・入浴・排泄などの日常生活全般の介助または指導が主な仕事です。

また、就学児に対しては宿題のチェックや健康管理全般、学校行事への参加など、まさに親代わりのような役割を担います。

さらに、家庭への外泊の調整を行うなど家庭復帰に向けて支援するほか、家庭への復帰が難しい場合は、18歳以降の生活環境を整える支援も行います。

また、児童の短期入所(ショートステイ)を実施している施設の場合は、その児童の受け入れ対応も仕事のひとつです。

まとめ

児童指導員になるには、児童指導員の任用資格が必要です。

任用資格の要件は複数あり、中卒や高卒の方も、所定の実務経験を積めば任用資格を得られます。

児童指導員が働ける場所は、障がいを持つ児童や虐待された児童が利用する児童福祉施設で、就労先に応じた専門知識が求められます。

さまざまな背景のある子ども達を支援するのは決して簡単ではありませんが、子ども達が成長する過程を間近で見られる、やりがいのある仕事です。

児童福祉施設への就職を希望する方は、ぜひ児童指導員として働くことを検討してみましょう。

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

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