介護福祉士の受験資格「実務経験3年」とは?対象となる施設や職種を解説

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介護福祉士国家試験を「実務経験ルート」から受験する場合には「実務経験3年以上」と一定の研修を受講する必要があります。

そこで、本記事では、実務経験ルートの条件のひとつである「実務経験3年」について、対象となる施設や職種を紹介します。

働きながら介護福祉士を目指したい方や、介護現場への就職を検討している方、ぜひ参考にしてください。

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「実務経験ルート」が9割

厚生労働省によると、受験者総数の約9割が実技試験を免除される「実務経験ルート」から受験しています。

なお、介護福祉士国家試験を受けるための受験ルートは、大きく分けて4ルートあります。

【介護福祉士の受験ルート】

  1. 養成施設ルート
  2. 実務経験ルート
  3. 福祉系高校ルート
  4. 経済連携協定(EPA)ルート

【介護福祉士の受験資格ルート図】

(引用:公営期財団法人 社会福祉振興・試験センター)

実務経験ルートで国家試験を受ける条件

実務経験ルートで介護福祉士国家試験を受ける場合には、以下の受験資格を満たす必要があります。

  • 3年以上の実務経験
  • 介護職員実務者研修の受講。

ただし、過去に「介護職員基礎研修」を受講している方は、「喀痰吸引等研修(3号研修を除く)」を修了することで受験資格が得られます。なお、介護職員基礎研修は2012年に廃止されています。

実務経験3年以上とは?

実務経験として認められる施設や事業所で、従業期間3年(1095日以上)かつ、従事日数540日以上働くと「実務経験3年以上」の受験資格を満たせます。

「従業期間」は、産前・産後休業や育児休業、病気による休職期間も、施設や事業所に籍がある状態であればカウントされます。退職して再就職するまでの間は、従業期間に含まれないため、注意が必要です。

また、従事日数とは、実際に介護などの業務を行った日数のことです。有給休暇や欠勤、研修などで介護業務に関わらなかった日は、日数に含まれません。

従事日数に雇用条件の指定はないため、パートやアルバイトなどの雇用も実務経験としてカウント可能です。1日の勤務時間も決められていないため、短時間の勤務の場合でも「1日」として計算できます。

実務経験の対象となる施設・事業所

実務経験ルートから、介護福祉士の受験資格を得るには、介護業務を行う施設や事業所で働くことも条件のひとつです。実務経験として認められる主な施設や事業所は以下の通りです。

障害分野・障害者支援施設・共同生活介護(ケアホーム)・共同生活援助(グループホーム)・就労移行支援・就労継続支援・重度訪問介護など
児童分野・知的障害児施設・自閉症児施設・肢体不自由児施設・重症心身障害児施設・放課後デイサービス・児童発達支援センターなど
高齢者分野・特別養護老人ホーム・軽費老人ホーム・介護老人保健施設・サービス付き高齢者向け住宅・指定通所介護・指定短期入所生活介護・指定訪問介護など
その他分野・救護施設・ 更生施設・地域福祉センター・労災特別介護施設など
介護等の便宜を供与する事業・地方公共団体が定める条例・ 実施要綱に基づく事業・ 介護保険法の基準該当居宅・介護予防サービス・障害者総合支援法の基準該当障害福祉サービス

参考:[介護福祉士国家試験]受験資格:実務経験の範囲:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター

実務経験の対象とならない職種

「人員配置基準」「運営要綱」等に示された、主な業務が介護等の業務と認められない職種は、実務経験の対象となりません。 

  • 生活相談員、支援相談員などの相談援助業務を行なう職種
  • 医師、看護師、准看護師
  • 理学療法士、作業療法士、言語聴覚士などの機能訓練担当職員(当該業務を補助する方を含む)
  • 心理指導担当職員、作業指導員、職業指導員、就労支援員
  • 事務員、介護支援専門員、調理員、栄養士、計画作成担当者、福祉用具専門相談員

また、以下の職種は主な業務が介護でないことが明確なため、実務経験の対象となりません。

例:相談員、警備員、運転手、用務員、清掃員、あん摩マッサージ指圧師

受験の際には「実務経験証明書」が必要

「実務経験証明書」とは、実務経験3年以上あることを証明する書類のことです。「実務経験ルート」の方が、介護福祉士国家試験の受験申し込みをする際に必要となる書類のひとつです。

介護業務に携わった施設や事業所に、従事期間や日数を記入してもらう必要があります。

実務経験証明書​​は、公益財団法人社会福祉振興・試験センター「実務経験証明書、従事日数内訳証明書の様式と記入方法」のページからダウンロードが可能です。

なお、期日までに提出しなければ、受験できなくなる可能性があるため注意が必要です。受験を決めたら、施設や事業所の担当者に早めに依頼して記入してもらいましょう。

まとめ

介護福祉士試験を「実務経験ルート」で受験する場合には、実務経験として認められる施設や事業所で、従業期間3年(1095日以上)かつ、従事日数540日以上働くと、「実務経験3年以上」の受験資格を満たせます。

ただし、主な業務が介護等の業務と認められない職種は、実務経験の対象とならないため、注意が必要です。 

現在、介護施設などで介護職員として働いている方や、これから働く予定のある方は「実務経験ルート」で介護福祉士の資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?

中谷ミホ

介護福祉士、相談員、ケアマネジャーとして介護現場で20年活躍。
現在はライターとして、介護業界での経験を活かし、介護・福祉に関わる記事を多く執筆しています。
保有資格:介護福祉士/ケアマネジャー/社会福祉士/保育士/福祉住環境コーディネーター3級

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