介護福祉士の国家試験に初めて挑戦する方の多くが、「何から始めればいいのか分からない」と悩んでいます。専門用語の多さや広い試験範囲に不安を感じるのも無理はありません。
しかし、正しい方法で準備を進めれば、初受験でも合格は十分に狙えます。この記事では、初受験者がつまずきやすいポイントやおすすめの勉強法などを筆者の経験をもとに解説します。
1回の試験で合格を掴み取りたい方は、ぜひ最後までご覧ください
初受験者がつまずきやすいポイント
介護福祉士試験の初受験者が抱えやすい不安には、いくつかの共通点があります。まずは「つまずきやすいポイント」を理解し、自分に当てはまるかを確認してみましょう。原因がわかれば、対策も立てやすくなります。
① 何から始めてよいか分からない
「試験範囲が広すぎて、どこから手をつけたらいいのか分からない」という声は非常に多く聞かれます。13科目群、125問という量に圧倒され、学習のスタートダッシュが遅れてしまうケースも少なくありません。
対策：まずは出題科目と過去問を大まかに確認し、全体像を把握することからはじめましょう。
② 専門用語や制度の多さに圧倒される
福祉・医療・法律といった幅広い分野にまたがる内容が出題されるため、初めて目にする専門用語や制度が多く、「読んでも意味が分からない」と感じやすいのが特徴です。特に「社会の理解」「医療的ケア」などは難しく感じる方が多いようです。
対策：難解な用語は、用語集や図解テキスト、動画解説を活用して「視覚的に」理解するのが効果的です。文字だけでなく、イメージで覚えることで定着率が向上します。
③ モチベーションの維持が難しい
仕事と並行して学習する方も多く、「最初はやる気があったのに、続かない」「疲れて勉強できない」という悩みもよく聞かれます。
対策：完璧を目指さず「今日は15分だけ」「1問だけ」でもOKとする柔軟な学習習慣がポイントとなります。学習記録をつけたり、SNSなどで勉強仲間と励まし合うのもモチベーション維持に効果的です。
④ 試験慣れしていない
久しぶりの勉強や、そもそも試験自体に慣れていない方も多く、時間配分やマークシート形式での解答に戸惑う人もいます。本番で緊張しやすいという声も少なくありません。
対策：模擬試験や過去問題を活用して、「本番形式」に慣れておくことが大切です。特に、時間を計って解く練習を重ねることで、本番でも落ち着いて実力を発揮しやすくなります。
おすすめの勉強法 ─ 合格に近づく5つのステップ
介護福祉士国家試験に合格するためには、自分に合った方法で効率的に学習を進めることが重要です。ここでは、初めて受験する方でも安心して取り組める、実践的な5つの学習ステップをご紹介します。
ステップ①：過去問を繰り返し解く
まず最初に取り組んでほしいのは、過去問です。出題傾向や頻出テーマを把握するのに最も効果的な方法です。
初めは分からない問題があって当然ですが、解説を読みながら取り組むことで、自分の理解度や苦手分野を把握できるようになります。
過去3〜5年分の問題を、最低でも2回以上繰り返し解くことで、出題パターンに慣れ、自然と得点力が向上します。
ステップ②：自分に合ったテキスト選び
学習を継続するためには、「読みやすく、負担に感じない教材選び」が大切です。
最初は複数の教材に手を出したくなるかもしれませんが、1冊のテキストと1冊の問題集を繰り返し活用する方が、効率的に力を伸ばすことができます。
特に、図表が多く、解説が丁寧な教材を選ぶと理解が進みやすくなります。ちなみに、ユーキャン、中央法規、成美堂出版などの教材は、多くの受験者から高い評価を受けています。
ステップ③：インプットとアウトプットの反復
知識をただ覚えるだけでなく、それを使えるようにすることが合格へのカギです。
テキストで学んだ内容は、すぐに問題を解いて確認することで記憶に定着します。間違えた問題は解説を読み返し、ノートにまとめると理解が深まります。
「読む→解く→まとめる」という学習サイクルを繰り返すことで、知識が着実に定着します。
ステップ④：苦手科目を重点的に対策する
苦手な科目は後回しにしがちですが、試験では全分野からまんべんなく出題されるため、最低限の得点を取れるように対策しておく必要があります。
特に専門用語が多い分野は、図解や語呂合わせを使って視覚的に覚える工夫をしてみましょう。問題を解きながら、苦手なテーマをリスト化しておくと、重点的に復習しやすくなります。
ステップ⑤：模擬試験で本番を意識する
学習がある程度進んだら、模擬試験に挑戦して自分の実力を確認しましょう。本番と同じ時間で問題を解く練習をしておくことで、試験当日も落ち着いて取り組むことができます。また、模試の結果は復習すべきポイントを見つける材料として活用することが大切です。
これらのステップを踏んでいけば、初めての受験でも無理なく実力を積み上げることができます。焦らず、自分のペースで一歩ずつ前進していきましょう。
モチベーションを保つための4つのポイント
試験勉強では、知識の量と同じくらい「どれだけ学習を続けられるか」が重要です。多くの受験者が直面するのは、勉強法そのものよりも気持ちのコントロールです。ここでは、学習を継続するための考え方や習慣化の工夫をご紹介します。
1.完璧を目指さず「7割主義」で取り組む
介護福祉士試験の合格基準は、おおむね60〜70％の正答率です。そのため、すべてを完璧に覚える必要はありません。「全部覚えなければ」と思い詰めると、かえって学習が負担になり、モチベーションが下がります。重要な分野に力を入れ、最低限でよい箇所は割り切ると、学習が続けやすくなります。
2.小さな達成を見える形で残す
モチベーションは、結果よりも「行動した実感」から生まれます。「今日は10分勉強できた」「昨日解けなかった問題が正解できた」など、小さな成果を記録に残しましょう。
手帳やアプリ、チェックリストなどを使って、できたことを可視化すると、自信が積み上がっていきます。
3.不安や焦りは自然なこと
「まだ覚えることがある」「他の人のほうが進んでいる」と感じることは誰にでもありますが、必要以上に気にする必要はありません。大事なのは、他人ではなく昨日の自分との比較です。一歩でも前進していれば、それは立派な成長です。
4.勉強を日常に組み込む
学習を習慣化するには、「やる気があるときだけ勉強する」のではなく、「決まった時間に自然に始める」環境を作ることが効果的です。
たとえば朝の10分だけテキストを読む、昼休みに1問解くなど、生活に学習を組み込むと継続しやすくなります。また、机を片づける、テキストをすぐ手に取れる場所に置くといった工夫も、学習の習慣化に役立ちます。
おわりに
介護福祉士試験は、正しい準備を重ねれば、初めての受験でも十分に合格を目指すことができます。
過去問を軸にした学習や苦手分野への的確な対策、そして日々の中に勉強を組み込む工夫が、合格への一番の近道です。
すべてを完璧にこなす必要はありません。自分のペースを大切にしながら、一歩ずつ積み重ねていきましょう。
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