【介護の資格】実務者研修と初任者研修の違い|どちらを選べばいい?

キャリアアップ
記事内にプロモーションが含まれています。

介護福祉士実務者研修(以下、実務者研修)と介護職員初任者研修(以下、初任者研修)は、いずれも無資格から取得できる介護の資格です。

しかし、2つの違いが分からず、どちらを選べば良いのか迷っている方も多いのではないでしょうか。

本記事では、実務者研修と初任者研修の違いと、それぞれの資格がおすすめな人について解説します。

スポンサーリンク

実務者研修と初任者研修の違い

実務者研修と初任者研修は、研修の目的や費用、修了後に得られるものなどさまざまな違いがあります。

異なる箇所を表にまとめました。

実務者研修初任者研修
研修の目的介護福祉士として必要な知識やスキルを習得する介護の基礎を学ぶ
研修の受講要件誰でも受講できる誰でも受講できる
受講科目・受講時間20科目・450時間最短3か月半で取得可能9科目・130時間最短1か月で取得可能
修了試験の有無スクールによってはありあり
受講費用6万~8万円10万~20万円
介護福祉士の受験資格実務経験が3年以上あれば得られる得られない
サービス提供責任者※1なれるなれない

※1サービス提供責任者とは:訪問介護サービスの利用者が、適切なサービスを受けられるようにサポートをする役職のこと

どちらも無資格で受講できますが、実技が含まれることから妊娠中などの状況によっては受講できないケースもあります。

また、初任者研修を修了していなくても実務者研修を受講可能です。

実務者研修では修了試験は義務づけられていませんが、習熟度をはかるために実施するスクールもあります。

実務者研修を修了すると、実務経験3年以上で介護福祉士の受験資格を得られる一方、初任者研修では受験資格を得られません。

さらに、初任者研修のみではサービス提供責任者になれないため、キャリアプランが明確な方は注意しましょう。

なお、初任者研修の科目は実務者研修にも含まれるため、初任者研修の修了者が実務者研修を受講する際は9科目130時間が免除されます。

実務者研修と初任者研修の給与の違い

介護現場で働いた場合の、給与の違いを表にまとめました。

実務者研修初任者研修
月給・常勤の方月収:302,430円年収:3,629,160円月収:300,240円年収:3,602,880円
時給・非常勤の方月収:130,010円年収:1,560,120円月収:115,790円年収:1,389,480円

【参考:厚生労働省「令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果」(介護職員処遇改善支援補助金を取得している事業所)

実務者研修と初任者研修の給与の違いを年収で比較すると、常勤で26,280円、非常勤で170,640円、実務者研修の方が高くなっています。

初任者研修は介護の基礎を学ぶのに対し、実務者研修ではより深い知識や技術を学ぶ背景から、給与に差が出てくると考えられます。

こんな人には実務者研修がおすすめ!

以下に該当する方は、実務者研修がおすすめです。

  • 早く介護福祉士になりたい人
  • サービス提供責任者になりたい人
  • 介護の現場で長く働きたい人

実務経験ルートで介護福祉士の受験資格を得るには、実務者研修の修了が条件のひとつです。

実務者研修の科目には初任者研修の内容も含まれるため、早く介護福祉士になりたい方は実務者研修を取得する方が効率よく学べます。

また、実務者研修を修了するとサービス提供責任者になることもでき、キャリアアップを目指しやすいです。

実務者研修は、初任者研修と比較すると受講費用や時間は多くかかりますが、取得後の給与が高くなります。

介護の現場で経験を積み、長く働く見通しのある方は、実務者研修を取得すると安定した収入を得やすくなるでしょう。

こんな人には初任者研修がおすすめ!

以下に該当する方は、初任者研修がおすすめです。

  • 介護の資格を低価格で早く取得したい人
  • 介護の初心者で基礎から学びたい人
  • 介護職が自分に向いているかどうか分からない人

初任者研修は最短1か月で取得できるため、低価格で早く資格を取りたい方に向いています。

介護の知識や経験がまったく無い方でも分かりやすく学べる内容になっており、初心者でも安心です。

また「介護職が自分に向いているか分からない」「長く続けられるか不安」という方にも、初任者研修はおすすめです。

実務者研修の受講費用は、初任者研修と比較すると4万〜10万円以上高額になります。

先に実務者研修を受講して「やっぱり介護職は向いていない」と気づいた場合、受講費用が無駄になる可能性も否定できません。

初任者研修で介護の基礎を学びながら自分の適性を考えていくと、後悔のない選択ができるでしょう。

まとめ

初任者研修では介護の基礎的な知識を、実務者研修ではさらに実践的な知識と技術を学べます。

いずれも国家資格ではないものの、無資格から介護の知識を学べる研修である点は共通しています。

介護福祉士の受験資格を効率よく得たい方や、サービス提供責任者になりたい方は実務者研修がおすすめです。

一方、介護の資格を低価格で早く取りたい方や、介護職に向いているかまだ分からない方は初任者研修がおすすめです。

今後のキャリアプランや現場での経験などに応じて、受講する研修を選びましょう。

小原 宏美

大学で音楽療法を学び、卒業後は児童養護施設、高齢者通所介護施設にて勤務。生活支援と並行して、音楽療法による利用者のQOL向上に取り組む。現在はフリーライターとして、子育てや美容などに関わる記事を執筆している。保有資格:保育士・介護福祉士・日本音楽療法学会認定音楽療法士(補)

小原 宏美をフォローする
キャリアアップ
スポンサーリンク

コメント

タイトルとURLをコピーしました